2017年5月29日月曜日

CJ-1 富士見パノラマ レースレポート(山内健正)

順位 77位 -5Lap
期日:2017年5月28日  場所:長野県富士見パノラマリゾート
天候:晴れ 気温26度 コース状況:ドライ
使用機材  
ハンドル・ステム・サドル・シートポスト syncros(シンクロス) 
ドライブトレイン SHIMANO XTR Di2
ホイール SHIMANO XTR


今期の悪い流れの中、様々な迷いや決断の中でスタートラインに立った今大会。スタートの号砲が鳴った瞬間に、その様々な要素が重なり合い僕を地面に叩きつける。
今自分に必要な事がわかっていたはずだが実践できなかった。決断できなかった。自信がなかった。
そんな自分を全力で支えてくださったサポートの皆さん、応援の声、次がある!と慰めてくださる方々の優しさや厳しさに心から感謝をお伝えしたいです。本当にありがとうございました。

王滝100kmから1週間。リタイアした身体は自分の想像を超えて疲弊していた。翌日は動く事もままならないほどに身体が痛くて動かない。トイレに行くのも必死、シャワーを浴びるにも立っていられずに座り込んでしまって動けない。その翌日も全身が疲弊していた。木曜日になってやっと痛みが引いて日常に影響なくなってきたが突っ張った身体は以前疲労感を隠せない。

ずっと頭で考えていた事はレースを走るか、走らないか。

走らずに回復させて次のレースに備える事もできる。まず、走ったところでベストな結果は出す事ができないのは明らか。それでも走らないという選択を選べなかったには辞める勇気と次への自信がなかった。
勢いよく加速していくチームやライバルたち、今期CJの2戦を不調に終えて王滝リタイアの自分。ランキングも調子も下がり調子の中でこのレースを捨てて次をうまく走る自信が持てない。とりあえず出ればもしかしたらうまくいくのではないか、実はもう回復していてレースにも対応できるのではないか、そうあってほしいという願望のような想い。
周りの人たちは皆、口を揃えて『無理はしないほうが良い』と僕に伝えて休養をする事を薦めてくれるが、なかなか受け止めきれない。
そんな中で迎えた土曜日の試走。5日ぶりのしっかりとしたライドだが身体はついてきてくれている。これは完走ならできるんじゃないか、できるかもしれない、なら出たほうがいい、と出走する事に決めた。

レース当日の朝、可も不可もない身体の感覚。会場に出走時間に近づくにつれて緊張が高まる。
いろいろなクラスのレースがスタートするのを見ていると落車が起きた。その次のカテゴリもスタートで落車。無意識に落車というリスクが頭に染み付く。なかなか落ち着けないままアップをして招集エリアへと向かう。今回のスタート位置は3列目中央。嫌な予感がするが落ち着こうと良いイメージを浮かべる。スタート3分前になりスタートエリアからサポートスタッフが退場して後方の選手が前に詰めてくると右後ろから選手が無理やり割り込んできた。ハンドルバーが4~5cm被っているがまるで気にしていない様子。かなり嫌な予感がしたが、下がれ。と言える気持ちをもてず自分が少し離れる。これでこの嫌な”何か”を回避できるだろうとスタートを待つ。そして号砲が鳴りスタートしてダンシングで漕ぎ始めた途端に腰周りが何かに接触してバランスを崩す。地面に叩きつけられる間にここまでに至った全てが今なのだろうと感じた。だがもうレースは始まっている以上、ベストを尽くすしかない。再スタートをしてみると変速がおかしい。とりあえず1周を走り、フィードでスタッフに助けを求める。サポートが全力で対処して状況が改善するもののトップ側4段のギアしか使えない。ここ最近思いギヤでトルクをかける練習をしていてよかったと心から思った。だが変速だけではないトラブルがおきていた。ダウンヒル区間でリアが跳ね上がり接地感がないのでパンクか?と思ったがなにか違う、リアタイヤがフレームに接触した音がしたのでホイールが振れたのか?と思い降車してみるとチェーンステイが折れている。思わず立ちすくんだがバイクを持って走りだす。皆が全力でサポートしてくれているのにまだ諦めれない、もし間に合えばどうにかなるかもしれない。ただただ走る、沿道のサポートが状況を確認して絶句する。そして『もうゆっくり行っていいよ』と声をかけられる。もう終わっているという事を受け止めきれない自分、どうする事もできない現実、どうにかできたであろうここまでの過程に心から後悔が湧いてきた。サポートの支援や応援に何もできない非力な自分を強く悔やんだ。

© 鍛 康成

-5Lap、77位。 最悪な結果で終わったが、ここで悪循環も終わらせる。次にスタートを切るにはあまりに完璧な状況だ。身体も結果もメンタルも最悪で地に落ちているとすれば、もう上がる事しか出来ない。これ以上ないほどに良い環境と心を掴まれるほど温かい人たちに囲まれている自分に必要なのは、回復と自信。

やってやる。絶対に成し遂げる。全日本選手権まであと約2ヶ月。勝つために今を、今までを絶対に無駄にしない
僕に関わってくださっているすべての方への伝えきれない感謝を表彰台で叫びたい。

これからも皆様どうぞよろしくお願い致します。

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